研究・開発の窓 COLUMN
研究・開発の窓
薬物の胆汁酸依存性肝毒性の評価系を構築、毒性発現メカニズム解明に迫る
千葉大学大学院薬学研究院 教授 伊藤晃成氏胆汁酸依存性毒性のin vitro評価系を開発医薬品開発における毒性評価で特に難しいとされてきたのが、スティーブンス・ジョンソン症候群、皮膚重症薬疹、薬物性肝障害に代表される特異体質性毒性の発現予測である。千葉大学大学院薬学研究院の生物薬剤学研究室は、この10年ほどの間、皮膚重症薬疹、薬物性肝障害にフォーカスし、その毒性発現機序解明とこれに基づく毒性予測法開発の研究に取り組んできた。その中から今回は、薬物性肝障害の研究を紹介...
血流刺激を再現する「圧力駆動型生体模倣システム」で実験の効率化を実現
国立研究開発法人産業技術総合研究所
杉浦慎治氏血流模倣の鍵は「流れ刺激」「三次元組織」「臓器間相互作用」動物実験代替法としての生体模倣システム(MPS)の開発が世界的に進む中、国立研究開発法人産業技術総合研究所・生命工学領域細胞分子工学研究部門の生体模倣システム研究グループは、①生体模倣システムの開発とそれらを活用した生体外評価系の構築、②インビトロ・アッセイ系を用いた機能性成分の評価・探索、③動物実験代替法としての新しいアプローチや方法論の構築を目指す研究―に取り組ん...
豊富な臨床情報が付帯した高品質な
ヒト生体試料を扱う「国内バイオバンク」の
積極活用を
岡山大学 教授 森田瑞樹氏国内バイオバンクの課題は利便性、信頼性、広報 ゲノム医療の進展に伴い、この20年ほどの間に国内外でヒト生体試料と情報を研究用資源として保管・活用するバイオバンクが多数設立された。ほとんどのバイオバンクの設立主体は学術研究機関である。ただ、バイオバンク関係者の国際会議や論文で指摘されている課題は、その利用率が低いことだ。 岡山大学教授の森田瑞樹氏(ヘルスシステム統合科学学域・生体情報学分野)は、岡山大学病院バイオバンクの実務責...
ヒト化動物を用いた薬物動態研究で創薬や薬物療法適正化に貢献する
明治薬科大学 教授 小林カオル氏染色体工学技術を用いてヒト化マウスを作製薬物動態には動物間種差があることが知られ、臨床研究以外の方法でヒト薬物動態を研究できる方法が求められている。明治薬科大学薬剤学研究室教授の小林カオル氏は、「薬物動態に関連するヒト遺伝子を動物に導入したヒト化動物」の作製とそれを活用した薬物動態研究に取り組んできた。小林氏は「従来の動物実験やin vitro試験、ヒトを対象とした臨床研究では得られない新たな知見が得られることがヒト化動物の...
トランスポーター研究から、新規病型分類提唱や薬物相互作用機序解明へと展開
東京大学医学部附属病院 教授・薬剤部長
高田龍平氏エゼチミブとワルファリンの薬物相互作用機序を解明東京大学医学部附属病院の教授・薬剤部長である高田龍平氏は、薬学の一分野としての「医療薬科学」を掲げ、薬物動態学をベースに医療現場や創薬に還元できる研究を続ける研究者だ。 「医療現場で役立つことだけでなく、scienceも重視するという意味で、『医療薬科学』という言葉を使っている。特に臨床の検体やデータを使った研究と動物や細胞を使った基礎研究を組み合わせた複合的な研究に力を入れ、...
皮膚角層は顆粒層SG1細胞の特殊な細胞死「コルネオトーシス」を起点に形成される
東京工科大学 応用生物学部 教授 松井毅氏脊椎動物は陸上進出によって角層を獲得した東京工科大学応用生物学部教授の松井毅氏(皮膚進化生物学研究室)は、生物の適応進化をキーワードに皮膚角層バリアの形成メカニズムを研究してきた細胞生物学者だ。 脊椎動物の角層は皮膚の一番外側に死んだ細胞が積み重なることで形成されるが、松井氏らの研究グループはその死に方がアポートーシスでもネクローシスでもない、角層形成時にのみ起こる特殊な細胞死であることを解明し、「コルネオトーシス」という新...
