細胞培養基礎講座 COURSE
第26回「非働化について」
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「博士、細胞の培養で使う血清の非働化の方法を教えていただけますか?」
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「56℃で30分間加熱をすればいいよ。そうすることで、血清中の補体を熱で失活させるんだ。」
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「どうして補体を失活させる必要があるんでしょう?」
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「補体は細菌やウイルスを攻撃するための免疫タンパク質なんだ。だが細胞の培養となると、細胞に余計なダメージを与えたり、実験によっては予期しない反応が起きたりする可能性がある。補体は56℃付近で変性するんだけど、血清中の多くの成長因子やタンパク質はこの温度では活性の低下は最低限に抑えられるから、補体だけ狙えると言うわけだね。」
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「ありがとうございます!」
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「細胞の種類によっては非働化をしない方が良いものもあるから、事前によく調べることが大事だよ。」
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~ その後 ~
「うーん、どうしよう。」
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「どうしたの、陽くん。」
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「あっ、博士。解凍した血清を非働化したいんですけど、血清自体が56℃になったのを確認するにはどうしたらいいか悩んでいて。ボトルを開けるわけにはいかないし……。」
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「血清と同じボトルに水を入れたものを用意して、温度計で測ればいいぞ!」
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「なるほど、それなら水が56℃になった時点で血清も同じ温度になっていると見なせるわけか!あと、加熱中に時折攪拌すれば、より均一に非働化できるんですね!」
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「……ひょっとして君は今までやっていなかったのかい?」
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「凍ったままウォーターバスに入れて30分測っていました!」
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「解凍してから非働化しないとダメじゃないか。
やれやれ……眩暈がするよ。」
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