| 「バイ博士、ES細胞を継代したいのですが、何か注意することは無いですか?」 |
| 「一番違うのは、フィーダー細胞との共培養系で培養しているので、継代するときに、できるだけフィーダー細胞とES細胞とを分離する必要があることだね。」 |
| 「具体的には、どうするのですか?」 |
| 「フィーダー細胞は、マイトマイシンによって増殖性が止められていて接着能が元気な細胞より弱いので、トリプシン処理により、ES細胞より早く剥がすことができるんだ。」 |
| 「でも、ES細胞はフィーダー細胞の上に接着しているのですから、フィーダー細胞が剥がれたらES細胞も剥がれると思うのですが。」 |
| 「ここで言うフィーダー細胞は、ES細胞が上に接着していないのことだよ。ES細胞が接着しているフィーダー細胞は、すぐには剥がれないよ。」 |
| 「大体どの程度の時間差ですか?」 |
| 「フィーダー細胞のみが剥がれるのが30秒から1分程度、ES細胞が剥がれるのが2分程度かな。」 |
| 「思ったより、差がないんですね。」 |
| 「そうなんだ。だから手早く処理しなくてはだめだよ。」 |
| 「あと、注意することはありますか?」 |
| 「ES細胞は凝集しやすいので、先の細いピペットでピペッティングを良く行うことが大切だね。トリプシン処理時間を長くするのは逆効果になるので、継代した際に凝集が多いようなら、ピペッティングでバラスことだね。」 |
| 「わかりました。早速やってみます。」 |
| 「そういえば最近、家の近所で暴走族が集まってうるさいんだけど、彼らをバラス方法は無いかな?」 |
| 「漠南協ですね。よく言っときます。」 |
| 「何でそんなに詳しいの?」 |
| 「ちょいと昔に・・・。」 |
陽助手の過去が少しわかった瞬間でした。
*この物語はフィクションであり、登場する人物、団体名などは架空のもので、現実には存在致しません。



