| 「博士、このカタログに載っているE・Hってなんですか?」 |
| 「いいエッチだと。何を聞くんだ!変なカタログを見るんじゃない!」 |
| 「博士、勘違いしないでください。私は、培地のカタログにMEM-EとかHとか記載があるのがどんな意味かをお聞きしたのですが…」 |
| 「イヤーごめんごめん。 君の日頃の言動からつい…。(赤面するバイ博士) MEM培地などのEは、バッファー系がEarle(アール)ベースのもので、5%炭酸ガス下で平衡するように設定されている培地なんだ。HはバッファーがHanksベースのもので、通常の大気で平衡になるように設定されているんだ。」 |
| 「この2つはどのように使い分けるのですか?」 |
| 「インキュベータの性能により使い分けるのが基本だが、pHの変化に弱い細胞例えば正常2倍体の細胞などは、継代時にHanksベースのものを使用すると生着率がよくなるし、植え込み細胞数が少ない場合や増殖が遅い細胞などに使用すると、良いようだね。」 |
| 「じゃーHanksベースのMEMを使用すれば、炭酸ガスインキュベータが必要なくなるし、弱い細胞も培養しやすくなって便利ですね。」 |
| 「そうなんだが、HanksベースのMEMは、リン酸バッファーと重曹バッファーの2重緩衝系を基本としているので、細胞が培地中のリン酸を消費しない限りはpHの変動がEarle系に比べて少ないので良いのだが、細胞が活発に増殖し、リン酸が細胞により代謝されると、比較的早く緩衝能力が減少するという欠点をもっている。したがって増殖の早い細胞では、培地交換を頻繁におこなう必要があるんだ。」 |
| 「そうなんですか。」 |
| 「あと、Hanksベースの培地を使用するときは、炭酸ガスインキュベータで使用しないこと。これはL-15培地にも言えることだが、これら大気中で平衡となるバッファー系を使用する際は注意しないと、培地がすぐ黄色くなるよ。どうしても炭酸ガスインキュベータで使用しなくてはいけないのであれば密栓系で行うことだね。」 |
皆さんも、細胞の状態に応じてEarleとHanksを使い分けてうまく細胞を培養してくださいね。



