| 「博士、細胞を凍結したいのですが、注意することはありますか?」 |
| 「細胞を凍結保存するときに一番大切なのは、細胞の状態だね。 対数増殖期の細胞を凍結しないと戻りが悪くなるね。 具体的には、約80%シートのときに培地を交換して翌日に凍結するといいよ。」 |
| 「温度についてはどうですか?」 |
| 「温度については3分間で1度ずつ落としていくのがよいとされているが、特殊な装置が必要になるので一般的には行いにくい。そこで各施設ごとに色々な方法が考えられているが、うちでは氷中に5分間、-20度に30分~50分、-80度で12時間ほど静置してから液体窒素に移すという方法をとっているよ。」 |
| 「なぜ、ゆっくり凍らすのですか。」 |
| 「簡単に言うと、緩やかな氷の結晶をつくるためだよ。急速に凍結すると鋭敏な結晶が出来てしまい、それが細胞膜を傷めるんだ。」 |
| 「それでは、-20度や-80度では保存ができないのですか。」 |
| 「-20度や-80度でも細胞の代謝は緩やかながら働いていると考えられている。-20度で、2~3日ぐらい、-80度だと半年から1年ぐらいしか保存できないよ。」 |
| 「えっ。凍結していても代謝が進むのですか。それって熊なんかの冬眠と同じ状態じゃないですか。」 |
| 「その通り。だから元気の良いときにたくさん栄養をあげて細胞を太らせるんだ。」 |
| 「わかりました。さっそく細胞に栄養をあげてきます。」 |
皆さんも適度に細胞を太らせてよい凍結を。 いずれにしても太らせすぎ(過増殖)はだめですよ。



