| 「博士、今、培養中の細胞が全く増えないのですが・・・」 |
| 「どのような処置をしているのかな」 |
| 「毎日培地交換をしています。 それと1日に3~4度インキュベータから出して観察しています。」 |
| 「陽くん、細胞が増えないときはあまりかまいすぎるとよくないよ。毎日培地交換をしても、その度に環境が変わるので余計に細胞は弱るよ。細胞がうまく増えないというには細胞が病気になっている、つまり病人のようなものだからまず原因をしらべてから対処しないとね。培地はしらべてみたかい?」 |
| 「培地は液体培地を購入しましたので成分などは大丈夫なはずです。血清もロットチェックしたものですし・・・.」 |
| 「その培地はグルタミンが入っているのかい?」 |
| 「えーっと・・・。あっ。入っていませんね。」 |
| 「じゃあそれが原因だよ。液体培地はメーカーによってグルタミンが入っているものと入っていないものがあるんだ。グルタミンは非常に不安定な物質だから使用直前に添加して使用するようになっているメーカーが多いよ。液体培地だからといって血清を添加したらすぐ使えるといったものでもないんだ。」 |
| 「え!そうなんですか?すいません。液体培地なので血清以外はすべて入っていると思ったもので。」 |
| 「今度からはよく組成をメーカーに確認してから使用すること。それと気になるのは分かるが、日に何度も観察すると細胞はふえないよ。だからといって放っておいてもだめだし・・・。まあそのうちタイミングがわかるとおもうが・・・。」 |
| 「まるで恋人同士のつきあいと同じですね。細胞培養も奥が深い!」 |
| 「・・・」 |
彼女いない暦25年の陽助手にしては意味深な発言でした。 皆さんは、細胞(恋人)に愛想をつかされないようにしてくださいね。 次回からは、細胞がうまく増えない場合の対処法を細胞の症状別にバイ博士に解説してもらいます。



